Entries

巨匠ならではの苦悩?

20050126000740.jpg



公開以来、とかく酷評も多いこの映画。どんなもんだろうかと「ハウルの動く城」を見た。

で、感想。
「なるほどねー」と思った。物語自体もアニメの出来も悪くない。
が、この映画には決定的に欠けているものがあるなぁ…と思ってしまった。

優れた表現者は、自分の作品に最もいま自分が伝えたいテーマとメッセージを込める。
この映画のテーマは明白で "戦争へのアンチテーゼ" だ。
でも僕には全然伝わらなかったの。
なぜならこの映画の中では、"戦争の理不尽さ"がちゃんと表現されていないんだもん。
だから最後に感動もない。

宮崎駿ほどの実力者がなぜ、それを表現できなかったのか?

いろいろ考えた。
僕の勝手な邪推を述べると、きっと表現方法になんらかのバイアスがかかったことしか考えられない。
それは巨大になりすぎた”宮崎駿”というブランドイメージが勝手に

宮崎アニメ=子供に無害な映画=グロテスクなシーンはちょっとでもダメ

という短絡的なしがらみを作ってしまったのではないか?と思っちゃうのだ。
注目する人が多ければ多いほど、外部から様々なバイアスがかかるのは当然で、おのずと表現方法の選択肢が狭くなってくるよね。
“戦争”をテーマにした映画には、やっぱりその理不尽さの表現が必要不可欠で、そのショックがあるからこそ、最後の感動につながるもんだと僕は思っちゃうんだな。
あくまで個人的な感想だけど…。
感動した人がいたら、ごめんね。こんなこと思うの僕だけかもしんないから。

で、こんなこと考えていたらあるエピソードを思い出した。

昔、大学生の頃、塾の講師として子供に勉強を教えていた。
その当時、中学生に生物を教えていたときに下記のようなやりとりがあった。

俺「君らカブトムシとかクワガタとか捕まえたことある?」
生徒「なーい。だってあれってデパートで買うもんじゃないの?」

衝撃だった。
彼らはもうバーチャルの世界でしか物事を知る機会がないのである。
正直かわいそうだと思った。

で、今日の書き込みでなにが言いたいかというと

僕らの世代も戦争を実体験でしらない。
できればこのままずっと体験しないまま一生を終えたいものだ。
でも、戦争の無意味さ、理不尽さは知らなければならないことだし、それを次の世代へ伝えていく責任を負っていると思う。

しかし、その戦争に関する情報を得るためには、あの "昆虫採集を知らない中学生" と同じで、当時の資料や証言、そしてこういったバーチャルなエンタテイメント作品からでしか感じとることしかできないし、今後も平和が続いてくれるのであればそうであろう。

そこに本当に外部からの極端なバイアスがかかるとすれば、これは切実な問題である。
その戦争の理不尽さの表現は次々と希薄になり、伝えるべきことが伝わらず…残るのは本当に娯楽としての戦争映画だけ...。
極端に言っちゃうと、こんなことしてると次の世代でまた戦争起こっちゃうよって考えすぎ?。

宮崎駿はもはやこのまま普遍的な家族愛しか描けない監督に成り下がってしまうのか…。それとも次世代の異端児があらわれてくれるのか?

エンタテイメント業界が今も健全な方向に向かっていってくれていることを信じたい。

そして僕もこの業界のはしくれに生きる人間として、いい作品を応援し、また自分もそれに少しでも関われたとしたらこれほどの幸せはないな。


PS:ちなみに僕、夏に実家に帰ったら、いまだに友達とカブトムシ捕りに行ってるよ。えへ。
スポンサーサイト



11件のコメント

[C83] はじめまして

足あとを辿ってたどり着きました、はじめまして。
るうぢんさんの先輩さんですか、日記を読ましていただくと
確かに大人のかほりがしますw

いまどきの子供達には驚かされることが多いですね、
時計の針を読めないってニュースでみたときは
ものすごくショックを受けました、将来がちょっと不安です。
  • 2005-01-26
  • 投稿者 : マサル
  • URL
  • 編集

[C84] はじめまして

マサルさん:
はじめまして、コメントありがとうございます。
そーですかー、大人のかほりがしましたかぁ(照)
ま、僕は精神年齢5歳から実年齢までいろいろあわせられるので、これからもよろしくです。
そうそう、最近の子供のNEWSに関しては、びっくりすることが多いけど、けっして悲嘆するのではなく、僕らそれぞれでできることをやっていこうという意識が大切なような気がします。一番よくないのは無関心でいることかな?
みんなが意識できるようになれば、きっと素敵な未来が待っているハズ。
  • 2005-01-26
  • 投稿者 : かでぃぼう
  • URL
  • 編集

[C85] やはり大人

いやぁ、やっぱ大人な意見ですね。

>僕らそれぞれでできることをやっていこうという
意識が大切なような気がします。

自分のことで精一杯な毎日、無関心と
言わざるえない…勉強になるなー(´ー`)
  • 2005-01-26
  • 投稿者 : マサル
  • URL
  • 編集

[C86] いや、違いますよ

マサルさん:
だってさ、日々精一杯でも、こうして僕の考え方を読んでくれて、「俺は実際どーなのよ」って思っちゃったわけでしょ。そこが大事!
小さなことからさ、意識って変わっていくと思いますよ。
で、僕は勝手にぐるんぐるんの自分の頭の中の考えをこの場を使って整理させていただいているだけで、その考え方を押しつけるつもりはまったくないわけです。
もちろん共感してくれたらすごく嬉しいんだけど、僕のスタンスは
「僕こう思うんですけど、君はどうなの?」
って感じ。
で、べつに「ここでみなさんの考えを教えてほしい!」とかじゃなくて、それぞれそのテーマについて、「俺はこう思うな」って心の中で関心を持ってくれたのであれば、それは僕の術中にはまっているわけです(笑)
ということで今後ともよろしくですー。

あー、どんどんお魚ホームページじゃなくなっていく...(涙)
  • 2005-01-26
  • 投稿者 : かでぃぼう
  • URL
  • 編集

[C87] 足あとからきました~。

どうも~足あとからきました~。ウソです(笑)。
お昼に日記を拝見させていただいたのですが、気の利いたコメントが見つけられなくて…というのも、宮崎駿さんのアニメ、ひとつしか観たことがなくて(めずらしいそう)。だからちょっといろいろ調べてまた戻ってまいりました(エライぞ)。

なんかね、宮崎さんが本当にやりたかったは『紅の豚』だとか…。
だから『紅の豚』以前←―まだ自分のやりたいことをやるほど権力がない。
   『紅の豚』以降←―有名になりすぎちゃって、身動き取れない。(自分だけ            の「宮崎駿」でなくなってしまった)
っていうことなのかな…なんて思ったりしました…。
  • 2005-01-27
  • 投稿者 : ずうおるび
  • URL
  • 編集

[C88] えらいなー(笑)

ちゃんと調べてくるなんてえらいぞー(よしよし)
そうなんだ。「紅の豚」が転機なのか...初めて知ったよ。
宮崎駿さんというのは「ルパン三世」の初期とか「未来少年コナン」とか「パンダコパンダ」とかで注目されはじめ「風の谷のナウシカ」でブレイクしたのね。
で、「風の~」の頃は漫画も描いてたんだけど、とてもとても子供向けの内容じゃなかったのよ。
でも子供心に「この人すごいなぁ~」って思ってたの。とは言っても別に大ファンじゃないんだけど。
だから今回落胆も大きかったのかな?確かに「紅の豚」らへんから第3者的なメディアも騒ぎ始めたもんね。
あってるかも。

でもさやっぱ日本のアニメってすごいよ。僕は別にヲタじゃないけど、見なきゃいけない作品は一応押さえてるもんね。
世界と戦えるのは「アニメ」「ファッション」「サッカー」ほかにもあるけど、あとは「音楽」だけなんだよねー、くやしいことに。


  • 2005-01-27
  • 投稿者 : かでぃぼう
  • URL
  • 編集

[C89]

かでぃぼうさんが、子供の頃「風の谷のナウシカ」観て「この人すごい」って思ったのが私と違う…。
…っていうのも、私は「風の谷~」を小学生の頃みて、なにが起こったのか全く分からず、終わったスクリーンの前で呆然としていたので…。
それから「宮崎駿」=私には分からないけど評価されている人。
っていう認識しかなくって。作品もこわくて観れなかったりする…。
理解できなかったらどうしよう~って感じで。
  • 2005-01-27
  • 投稿者 : ずうとるび
  • URL
  • 編集

[C91] なるほど

わかりました、 かでぃぼうさんの世界に
どっぷりと浸らせていただきますw
  • 2005-01-27
  • 投稿者 : マサル
  • URL
  • 編集

[C92]

ずうとるびさん:
別に無理して感動する必要はないし、自分の「イイ」と思ったことに素直に感動すればいいんじゃないかな?でも食わず嫌いはいけないよ(笑)

マサルさん:
今後ともよろしくお願いします!
  • 2005-01-27
  • 投稿者 : かでぃぼう
  • URL
  • 編集

[C113] そうですね

そうですね、ナウシカ漫画版の描画が包み隠さず好きです。
  • 2005-01-29
  • 投稿者 : よし
  • URL
  • 編集

[C115] お!

ここにもナウシカ漫画版を知っている人が!
年代ばれますね(笑)
  • 2005-01-30
  • 投稿者 : かでぃぼう
  • URL
  • 編集

コメントの投稿

新規

投稿した内容は管理者にだけ閲覧出来ます

0件のトラックバック

トラックバックURL
http://kajibow.blog2.fc2.com/tb.php/50-47ca537e
この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

Appendix

kajibow の Twitter

Twitter < > Reload

アクセスカウンター

QRコード

QRコード

ブログ内検索

アクセスランキング

[ジャンルランキング]
ペット
2337位
アクセスランキングを見る>>

[サブジャンルランキング]
熱帯魚
153位
アクセスランキングを見る>>

Extra

プロフィール

かでぃぼう(kajibow)

  • Author:かでぃぼう(kajibow)
  • 音楽とお魚をこよなく愛しております。
    海水魚飼育HP「踊ろうよFISH!」も運営、そしてTWITTERでもつぶやいてますので、リンクから是非ご覧ください!

最近の記事+コメント

月別アーカイブ